HISTORY
ジョンソンタウン前史 <5>
民主化への道

1948年(昭和23)ジョンソン基地米軍が武蔵豊岡教会を訪問。(写真提供:武蔵豊岡教会)。鈴木義男法務大臣(右から9人目)臨席の下、暖房器具が献納された。鈴木法務大臣が憲法25 条の生存権規定に果たした役割は大きく、また警察法改正では国家警察から自治体警察を成立させた。キリスト教会は太平洋戦争中、憲兵の監視下に礼拝が行なわれ、プロテスタントの武蔵豊岡教会も大変な困難のなか礼拝が守られていた。戦後米軍が進駐してジョンソン基地内にも教会が建てられたが、基地関係者も武蔵豊岡教会の礼拝に加わり、その子どもたちも教会付属の惠幼稚園に通園していた。また教会員はジョンソン基地のクリスマスに招かれ相互の交流が行なわれていた。

 1946年(昭和21)11月3日の日本国憲法公布以降、各法が公布改正され、1947年(昭和22)12月17月公布の警察法(地方分権・民主化)を受け、1948年(昭和23)3月7日に新警察制度が発足、4月27日には海上保安庁設置法が公布されました。7月20日には国民の祝日法が公布されましたが、まだ戦後の色も濃く、11月12日、極東国際軍事裁判所は25被告に対して有罪判決を言い渡しました。翌1949年(昭和24)年4月20日に超均衡予算が成立し(ドッジ・ライン)、早くも23日にGHQは1ドル360円の単一為替レートを設定しました。国際社会への復帰を願うなか、11月3日には湯川秀樹ノーベル物理学賞受賞という喜びのニュースが飛び込んできました。

 


 世界に目を向けると、1948年8月15日、大韓民国(韓国)が国家樹立宣言し、9月9日には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が成立しました。欧州でも1949年9月7日、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)が成立、10月7日にドイツ民主共和国(東ドイツ)憲法発効により、東西ドイツに分断されました。そして同年10月1日には中華人民共和国が成立しました。

 


 国内の占領軍家族住宅建設に関わる出来事では、1946年にGHQから要求された占領軍家族住宅を、1949年、全国に接収住宅を含め一万三千余戸完成させています。翌年1月27日、GHQは「占領軍のための家族住宅増設準備に関する件」(SCAPIN2076号)で、さらに二千戸の追加要求を日本政府に出しました。
 ジョンソン基地ではこの時期に道路の舗装が完成しています。(続く)

 

 



 

 


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