STYLE

 

タウンならではの自然と空気感、
スタイルのある物作り。

クリエイティブディレクター 曽根原さん

 

 

 フリーのクリエイティブディレクターとして広告やメディアの制作に携わる曽根原 興史さんは、ジョンソンタウンの「米軍ハウス」を住居兼仕事場にしています。米国のブランドと仕事をすることも多く、自身もアメリカンカルチャーが好き。でも住む家に関しては「ゆとりのある平屋で暮らせれば、古民家でもよかった」のだとか。

 5年前にタウンへ引っ越した決め手は、自然の身近さでした。「都心のマンション暮らしだと親子でボール遊びをするのも難しくて。子供たちには僕がそうだったように自然に触れながら育って欲しかったんです。ここはアウトドアやスキーをしに山へ行くときも便利。今週末は近所の男たちで渓流釣りに行きます」。隣人でもパパ友でもなく、友達と呼ぶのがしっくりくるという交流の最初のきっかけは、オーナーの磯野さんでした。入居を希望した際に「ランチでもしながら話しましょう」と「米軍ハウス」を改装したカフェに連れていかれて、店を営む料理人と大工の高橋夫妻との交流が始まったそうです。「どこか似ているから友達になれるのかな。東京では近所で友達づくりとか、まったく興味がなかったので」。

 今春から約100坪の敷地を持つ「米軍ハウス(No.1110)」を新たに借り、CMやミュージックビデオなどの撮影ができる貸しスタジオ「TACOMA」をオープン。「物作りをする立場から、クリエイターが使いやすいスタジオをつくりたい」と内装などのデザインを手がけ、高橋夫妻やほかの住人にも協力を仰いできたといいます。「グラフィックデザインなら、たとえば数百個のフォントを自分で持っていて最適な選択ができるけど、専門外の分野はそうはいかない。そこは人に頼んだほうが相乗効果も出ていいと思うんです」。今やタウンで培ったネットワークは工事や植栽の相談、小道具やケータリングの手配、ロケバスの運転もまかなえるほど広いそう。「東京はなにかと狭くて、やりたいことがやりづらかった」と曽根原さん。おもな仕事現場である東京とタウンを頻繁に行き来しながら、スタイルのある物作りを楽しんでいます。

(ライター 細井 安弥)