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「米軍ハウス」に住みながら働く 、家族と一緒に叶えた夢。

Mellow Food CAFE 高橋さん

 

 

 Mellow Food CAFE(メローフードカフェ)のオーナーシェフ、高橋みきえさんは、大工職のご主人とお子さんの家族4人暮らし。5年ほど前に住み慣れた東京目黒を離れ、ジョンソンタウンに古い「米軍ハウス」を借りて、「海辺のビーチハウス」のようなカフェを作りました。

 


 「女子高生の頃に、ミリタリーファッションが流行し、米軍基地で古着屋さんや商売をしている人はとても格好良く見えました。そこで生活しながら楽しそうに働く姿に憧れました」と高橋さん。やがて料理の世界に入り、自分もいつかは店を持ちたいと夢見ていましたが、実行したきっかけは、東日本大震災を目の当たりにしたことだったそうです。

 


「子を持つ母親としてはなるべく家族の側にいたい。通勤をやめて、こだわりの「米軍ハウス」に住みながらカフェを営むことが、夢を叶えるベストな方法だと思いました」。賛同したご主人も工務店から独立し、「米軍ハウス」を住居兼店舗とするため家族総出で大改装をしました。

 


 Mellow Food CAFEのメニューはエスニック料理が中心です。大好きなハワイや東南アジアを旅するうちに、料理の魅力にもはまっていったとのこと。「お客さんにも南国の海を感じてもらいたい」と、ターコイズブルーのタイルをキッチンに貼り、子供部屋も同色で塗装しています。その子供部屋は日中、近所の子連れのお客さんがゆっくりランチを楽しめる半個室に早変わりします。

 


 改装時、オーナーの磯野さんは「面白いものがあるよ」と言って、棄てずにとっておいた古い「米軍ハウス」の外壁の板を譲りました。トラック一杯の板を家のデッキで洗うと絶妙な色加減になったそうで、店内のカウンターや天井に見事に活かされています。高橋さんは、「昔から受け継がれるものがどんどん少なくなっているので、ジョンソンタウンにはあと100年は残るまちになって欲しい」と期待を寄せます。

 


 暮らしてみてわかったまちの良いところは何ですか?
 「住んでいる人が面白いことですね。歯を食いしばって好きなことや商売をやっている人が多いので、個性や価値観が多様なんです。私も刺激を受け、生活の引き出しが増えました。子どもたちは同年代の友達と同じくらいたくさんの大人達に囲まれて、いろいろな生き方を学びながら育ってくれると思います」。

(ライター 細井 安弥)

 

 

  

 

 

Mellow Food CAFE (メローフード カフェ)
ビーチハウスをイメージして改装した「米軍ハウス」で、高橋みきえさんのエスニック料理やオリジナルスィーツが楽しめます。
人気メニューはお米の麺を使ったベトナムのフォー。

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