STYLE

 

お店も子供も一緒に成長中
懐かしくて新しい タウンの暮らし

Koigakubo 内山さん

 

 

 「モチモチしっとりの食感が米粉パンのおいしさ。小麦パンとは製法も違います」。そう話すのは米粉パン専門店「コイガクボ」の経営者、内山 健さんです。前職の経営コンサルティングで関わった米粉に惚れ込み、パン職人の道へ。約10年前に妻の奈美さんと生まれたばかりの息子さんとともにジョンソンタウンに移住しました。「パン屋になる決断をしたのは家族との時間が大切だったから。戸建てに住みながらお店ができるタウンは最適でした」。


 内山さんは、古い「米軍ハウス」が残るタウンはテーマパークのようだといいます。「休日のお客さんの顔を見れば、お店に入る前からワクワクしているのがわかります。お客さんは観客。だから私も単なるパン屋というより、“数分間のミュージカル”を見せるつもりでお店のメニューや演出を考えています。見た目も味も期待以上のものを届けて、喜んでもらえたら幸せですね」。


 ある日、タウンを散策する人を見ていた内山さんは、「アイスクリームの歩き食べができたらもっと楽しいはず!」と思いつきます。「オーナーの磯野さんに “ジョンソンタウン・アイスクリームファクトリー”の名で新規事業をやりたいと話したら、「いいじゃない、やってみましょうよ」と二つ返事でした。嬉しかったけどプレッシャーでしたね(笑)。絶対に成功させねば! と、すぐさまイタリアに飛んで本場のアイスクリームのノウハウを学んできました」。 


 事業拡大に合わせた今夏の改装で、1階のイートインスペースは「お母さんたちがちょっとおめかしして集まる、第二のリビング」をテーマに生まれ変わりました。大きな窓は「お店も子育ても、周りに成長過程が見えたほうがいい」という夫妻のこだわり。一方、2階の住居スペースにはそれほどこだわらず、「狭くていいです。そのほうが子供はお店に降りてくるし、外に出て近所の人とも話すでしょう」とのこと。奈美さんは、隣近所のつきあいがあるタウンは昔の商店街みたいだと言います。「息子が赤ちゃんだった頃、おぶってお店に出るとスタッフも面倒を見てくれて大家族のようでした」。“懐かしくて新しい、タウンの暮らし”が垣間見えました。

(ライター 細井 安弥)

 

 

  

 

米粉パンの店 Koigakubo(コイガクボ)
内山さん厳選の粒子が細かな熊本県産米粉でつくる食パンや惣菜パンはどれもしっとりモチモチ。
●入間店:埼玉県入間市東町1-2-27 tel:04-2966-3409
 小手指店、ONLINESHOPもあり https://koigakubo.shop/
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